安納芋の基腐病について
歴史的な不作となった、今年の安納芋。
種子島の安納芋が大打撃を受けています。
さつまいもの茎から全体を枯らして行く、”基腐病”という病気が流行しているとのことで、現地を見させていただきました。
安納芋の収穫は8月下旬頃から始まり12月頃まで続きますが、現地を訪れた2020年10月末時点で、収穫前の畑はほんの数か所。
畑によっては全滅という畑もあったようです。
1ヶ所だけ、葉が生い茂る美しい安納芋畑がありました!
でも、ほとんどの畑がすでに掘り終わっているか、基腐病で葉が枯れてしまっている畑が多かったです。
基腐病は、「もとぐされびょう」や、そのまま「きふびょう」と呼ばれており、
2020年の6月〜7月頃、全国的に記録的な大雨だった頃、種子島でも、湿気が多く高温の日々が続いていたそうです。
カビの1種であると言われる基腐病ですが、この連日続いた高温多湿の気候条件が、基腐病の多発を誘引してしまったのではないか?
と考えられているようです。
2020年の農産物は、総じて不作の傾向にあったのは、夏の長雨が多方面に影響しているのかもしれません。
思えば、マンゴーも、長雨の影響で完熟が遅れ病気にも悩まされましたし、ぶどうも今年は全国的に不作となり品質にも影響しました。
秋から収穫される極早生品種の温州みかんもやはり夏の長雨の影響を受けました。
各地に被害をもたらした長雨は、少し記憶が薄れてくる数か月後にも影響をしているということに、あらためて気付かされ、農業の厳しさ、そして、自然に生かされていることの尊さに気付かされます。
この、とても厄介な「基腐病」。
実は、甘藷(さつまいも)だけに入る病気で(正確には、ヒルガオ科のみに寄生)、同じ根物でも、馬鈴薯(じゃがいも)などは寄主にならないといのが特徴の1つでもあります。
発病した苗を定植したり、土壌中にあった菌が定植後に繁殖することにより、被害が大きくなる病気で、台風や大雨によって、水はけが悪くなり、土壌中の水分量が多くなった時、加えて温度が高い状態が続いたとき(特に28℃〜30℃)に、活動が活発になるのではないかと言われています。
基腐病には、現在有効な特効薬がないのが現状で、生産者や研究機関でも必死の研究が行われています。
また、厄介なことに、この基腐病に一度かかってしまうと、翌年にも影響すると言われています。
土壌の徹底的な消毒、発病していない苗の定植を徹底しても、予防ができるとは限らないのが、この基腐病という病気なのです。
当店からの出荷の際にも、入念に選果選別をしても、数日後には傷む個体などもあり、今年ばかりはかなり選別作業が困難で、苦難の安納芋シーズンとなっています。
また、不作の時は総じて全体の質が下がる傾向にあるのが農産物で、今年は早掘りが多い事などもあり、例年よりもバラつきが多く見受けられます。
そんな時に
”どう調理したら良いですか?”
の質問を多くいただいておりますので、
下記に少し記載していることを参考にしていただけると嬉しく思います。
今年、大きな被害を受けた農家さんたちの中には、
”安納芋作りを辞める”という方も出てきているそうです。正解はわかりませんが、今自分たちにできるのは、お客様に少しでも美味しくお召し上がりいただくことが、来年また美味しい安納芋を作ってくださる生産者さんのためにもなると信じて頑張っていきたいと思います。
■お芋がしっとりならない時■
安納芋は農作物ですので、どうしても個体差があり、寝かしてもねっとりならないものもありますが、充分に糖化が進めばだんだんとしっとり焼き上がってきます。もし届いてすぐに焼いても思った仕上がりに
ならない時には、以下のことを試してみてください。
〇1週間ほど寝かせて、でんぷんを糖化させる
〇焼きの温度を普段よりも低め(約160℃前後)にし、焼き
時間を長めにする(当店では160℃で80分ほど焼きました)
〇一晩、塩水に漬けてから焼く(何もしないより、しっとりと焼き上がります)
〇濡らしたキッチンペーパーでくるみ、その上からアルミホイルを巻いて焼く
↓↓↓自宅のオーブンで、160℃60分焼きました!約80gくらいの「小さな安納芋」です!↓↓↓
焼き過ぎには注意が必要ですが、少し温度を下げてじっくり焼いてみると、普段よりもしっとりと焼き上がります。
こちらは、まだ出荷が始まったばかりの9月に自宅で焼いた、「おひさまの蜜芋」です。
蜜がすごいですね!
こちらは、普段通り、180℃で50〜60分焼いたものです。
ぜひ、色々試してみて、大地の恵みを最大限にお楽しみください。
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No Image(ご家庭用)さつまいも食べ比べ3種セット3kg(発送期間:11月下旬〜1月頃)SOLD OUT
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